渋谷区清浄化
今日はニュース記事を貼りません。
つい最近の話。
仕事の都合で渋谷で終電を逃した。
渋谷で終電を逃したことは何度かあったが、その時間に渋谷を素面で歩くのは、意外に初めてだった。
いつも酔っぱらったときにしか見ない景色だったのでとても新鮮だった。
渋谷で飲んだときにほぼ必ずと言っていいほど締めで食べるラーメン屋が本当にうまいのか、立ち寄ったが大変嬉しいことに、うまかった。
そのあとは、例によって私が選んだのは漫画喫茶だ。
この歳であの狭い四畳半、いや四畳半にも失礼なほどの空間で、仮眠をとることに安堵感を抱くような性分では、いい暮らしは一生できないかもしれないのが少し心配だ。
本題はここからで、始発が動き出した頃に私も動き出し、電車へと向かった。
あの、スクランブル交差点でメガホン片手に話している誰かがいる。
今日はW杯の予選でもあったのか。こういう時事に取り残されるのはよくあるが、この時間にいる人の人数としてはそこまで多くないのでそういうことではなさそうだ。
内容を聞くと、「綺麗な街渋谷にするためにご協力ください。」
と、こう話している。
話しているのは、区役所員なのか、そこからの委託なのか。はたまたまったくの一般人か。
その中では、タバコは所定の位置で。やポイすてしないでとか。当然のことばかりだが、この街が苦手な習慣を淡々と話している。
そして何より貧民の私が聞き捨てならなかったのがこのセリフだ。
「近隣に住む住人からも苦情が出ております」
な、な、なにを?
だれが??
近隣?
と、捲し立てて迫ってしまいそうなセリフだ。
ちょっと行けば、神南や松濤。ここはいわゆるセレブ、富豪が住む住宅街のはず。
何度か、足を踏み入れたことがあるが、この立地で一見一軒の家がでかい。きっと凄まじい資産家ばかりだろう。
まあ駅前に住む住民もいるのは知っているが、兎にも角にも、
そんなこと今始まった話じゃない。
苦情を言う暇があるならどこかへ出て行け。
と、昔の私なら思って怒りが込み上げたこと。
素直に言うとこの時も思った。
思ったが、そのあとすぐ改めた。
ああ、渋谷も変わろうとしているんだ。
昔昔から栄えていた渋谷だから、昔から汚れていただろうし、何より人口増で高度経済成長のど真ん中は、渋谷に限らずどこもかしこも汚かったと聞く。
そんな街が何かの水を得て変わろうとしているんだ。
私みたいに、鼻で笑わずにみんなが協力すれば昔からは考えられないね。と言われるくらいに綺麗になるだろう。
もしそうなったら、渋谷のことをもっと好きになれるかもしれない。
ちょうどその時、撮影した写真がある。
銀座線利用者に聞くと、今渋谷を経由して通勤するのは結構なストレスらしい。
この工事中の銀座線改札の写真を見て、未来を感じた。
多分二ヶ月もすれば見慣れてしまうだろうから今、切り抜いてみた。
人が協力し合えばきっと変われるんだ。変わった渋谷が見れたら楽しみだ。と思う1人にその日なった。
だから、あのお兄さんに寒空の下、しかも夜明け前にメガホンでアナウンスなんかさせずに、どうか街中に張り巡らされたスピーカーを活用してあげて欲しい。
これから正常化する渋谷に期待したい。